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能の初心者の感じる能に関する質問や疑問への回答や、もっと深く知るためのワンポイントを能楽ドットリテラシープロデューサー 白田剛さんに答えていただきました。
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◆「初めての能」での質問より
◆能の構成 (神・男・女・狂・鬼)ワンポイント
- 男 :修羅物・・・このほとんどの演目は、平家物語からのテクストです。
- 狂 : ・・・・親子の再会などドラマがメインですが、「狂った女性」、「生き別れ」などの他の4つには分類されない「その他的」な題材が多いのです。
テーマに普遍性・ドラマ性が高いため、現代能の題材にもなりやすい(cf. 三島の 『近代能楽集』)。 よって外国語に訳しても成立しやすいテーマだと思われます。
◆職域の分類について
能は、舞台で行う役回りは職域ごとに決まっている。つまり、ワキ方が、シテをしたり、狂言をしたりすることはない。
シテ方 : シテ、ツレ、地謡(合唱)、後見(装束の直しや小道具の渡し)
観世・宝生・金春・金剛・喜多の五流派がある。
ワキ方 : ワキ、ワキツレ
狂言方 : 間狂言でのアイ、 本狂言でのシテおよびアド、
『翁』での「三番叟(さんばそう)」
流派によっては『翁』の「千歳」
囃子方 : (部隊むかって右から) 笛、 小鼓、 大鼓、 太鼓
(太鼓は演目によってある演目とない演目があります)
合唱部隊である「地謡」はシテ方が担当します。
「後見」は黒子ではなく、能では非常に重要な役割をします。
これもシテ方のベテラン能楽師が担当します。
◆「翁(おきな)」について
『翁』という曲目は、能のルーツであり、最も重要な能です。
舞台構成が特殊なので、特別に理解する必要があります。
観阿弥・世阿弥親子が能を体系化するより、はるか昔から民間舞踊として舞われてい たものです。
下記参照:『翁』についての民俗学的考察です。
http://blhrri.org/info/book_review/book_r_0114.htm
◆謡について
白洲正子さんが「昔はどこの家でも謡を習っていたものよ」と言っていました。
現代では、ある程度所得のある家庭ではピアノを習わせる家庭が多いですが、一昔前までは、謡を習うのが基本だったと理解しています。
また封建時代には、武家の子弟は武道の一環として能を習っています。立ち振る舞い、身体のこなしなど、呼吸法、発声法など、能から学べることは多い
からです。
実際、例えば「道成寺」の「乱拍子(*)」のシーンでは、シテ方の脈拍は、200/分を越えているている場合があるそうです。
能楽師の心肺機能の高さは、極めてアスリート的です。
* 「乱拍子」とは『道成寺』だけにある舞の種類で、囃子は小鼓だけ、舞手は主人公のシテ方だけで演じられる、 非常な緊迫感の中に静と動が混在する特殊な舞です。
小鼓の「叫び」に合わせて、トランス状態になったシテが舞います。近くの席で見ていると、こちらもトランスします。
◆能の動作の意味について
能は「引き算の美学」とも言われあらゆる表現を省略化し、抽象化してきました。結果として、全ての動作には意味があります。(ただし、 これについては、僕はほとんどわかっていません。)
◆老婆役がもっとも難しい?
能では動きの少ない役の方が難しいといわれています。
老婆役といえば、「卒塔婆小町」が難しいと思います。
単なる婆さんとして登場しておきながら、実はその婆さんは小野小町の亡霊であり、さらに小町のために「百夜通い」した深草少将の亡霊も乗り移ってしまいます。
あれは、若手では難しいのではないかと思います。
Ask 剛!
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